ワンコを家族に迎えるにあたって

 

狂犬病予防接種について

これは国の法律で定められている予防接種です。日本国では昨今、狂犬病は発生していませんが世界各国ではまだ撲滅できない人畜共通で罹患すると治療方法はなく必ず死に至るというとても恐ろしい伝染病です。

 

混合予防接種について(混合ワクチン)

数ある伝染病の中で、ジステンパー、パルボなどの怖い病気の名前をご存知かと思います。フィールドで流行っている病気ではありませんが、一度罹ってしまうと助かる可能性の低い怖い病気です。抵抗力の弱い仔犬の致死率は限りなく高く、衛生管理状況の悪い不特定多数の犬が集められる場所ではよくこの病気が発生します。狂犬病予防接種は人間が自分達の生命を守る為に犬に接種させるものですが、この混合ワクチンは犬の為に接種させるものです。有効期限は約1年です。毎年追加接種して下さい。

 

フィラリア症予防について

フィラリア症は犬の心臓の中に寄生虫が住み着くという一昔前まではとても怖い病気でした。現在は蚊の発生している期間中、1ヶ月に1回の投薬で完全に防げる予防薬が普及し、恐れる必要のない病気になりつつあります。毎年必ず5〜6月から11〜12月(関東地区)までの毎月決められた日に投薬してください。この予防薬は服用してから1ヶ月効果があるのではなく、服用した日前1ヶ月間に体内に侵入したフィラリアの感染子虫を死滅させる薬です。尚この薬に関しては事前に既に罹患しているかいないかの血液検査をする必要もある場合があります。

 

体内寄生虫に関して

犬の体に巣くう寄生虫は色々な種類のものがあります。鞭虫・鉤虫・条虫・回虫と様々で、母体である犬に影響が出る虫もいます。食べても太れない、チョッとしたことで下痢をする、胃酸過多気味で草を食べては吐く、便の中に虫がいた…そんな時には検便をしましょう。ゴミなどの付着していない便を2センチ程ラップかアルミホイルに包んで名前を明記して病院に持って行きましょう。以前は落としづらかった寄生虫も今ではいい駆虫薬がありますから完全に駆除できるようになりました。市販の薬では落とせない虫もいますし、又、お庭などに便から卵が落ち自分で自分に再度うつしてしまうというものもあります。獣医師に相談して駆虫・予防をしましょう。

 

体外寄生虫に関して

大まかには蚤とマダニがいます。駆除方法に関しては、昔と異なり今は殺虫系の劇薬を使用せずに駆除できる安全性の高い薬があります。寄生虫の駆除と同時にフィラリア予防もできたり色々種類がありますから使い方をよく把握し使用してください。動物用医薬部外品は効かないので注意しましょう。
他には疥癬(カイセン)やアカルスという駆除に治療の必要なダニもいます。皮膚の様子がおかしい場合は、獣医師に早めに相談しましょう。

 

不妊手術について

不妊手術に関しては自然ではないとか、可哀想とか様々な考え方をする方がいますが、人間の庇護のもとに生活する彼らのバースコントロールは飼い主の責任です。手術を受ける事によってのメリットは沢山あります。雄に於いては前立腺、肛門周囲腺腫、セルトリー細胞腫など、雌に於いては乳癌、子宮蓄膿症、卵巣膿種、卵巣癌など、ホルモンに関係する病気が未然に防げます。先進諸外国では不妊手術は当たり前であり、飼い主の義務と認識されています。日本はその点では先進国とは到底いえません。これから先はみんな胸を張って「うちの子は不妊手術を受けています」と言って頂きたいものです。

 

シャンプーについて

汚れたら洗いましょう。健康な状態であれば早々汚れて臭くなることはありません。シャンプーのし過ぎは禁物です。しっかりシャンプー剤を洗い流す事、毛の根元まで乾かす事、これが基本です。日常の毛の手入れについての注意は、先の柔らかいブラシで直接皮膚を刺激しないようなものでブラッシングしましょう。長毛種犬以外では、金製のスリッカーブラシなどは決して使わない事。ブラッシングのし過ぎは却って抜け毛、皮膚炎の原因になりかねないので注意しましょう。

 

フードについて

基本的に良質の栄養バランスの取れた、添加剤などを一切含まない安全性の高いフードを食べさせて下さい。これは少々値段が高くても、これから先、自分の犬が健康で長生きできる秘訣です。肉は新鮮であれば生肉が良いでしょう。野菜類は必要ありません。肉食動物の彼らに牛乳及び乳製品はあまりお勧めできません。食餌性アレルギーの原因にもなりかねないので与えない方が無難でしょう。葱類(溶血性貧血)チョコレート(中毒)は禁忌です。成長期には充分な栄養をしっかり(3〜4回/1日)与えて下さい。成犬になってからは1日に1〜2回の給餌で充分でしょう。理想体重を維持させる為に適切な給餌管理をして下さい。肥満は大敵です。